腸内細菌を移植

便移植について

便移植(糞便移植)とは?

簡単に言うと健康体の人の糞便から摂取した腸内細菌を腸内に移植することで、移植した方の腸内も健康になり、さまざまな疾患や体質を改善させることができるというものです。例えばわたしたちが食べているヨーグルトの乳酸菌や、乳酸菌サプリの乳酸菌の中にも人由来のものがあります。
それらは理想的な腸内フローラを持っている人の糞便の中から取りだした腸内細菌を培養し、それぞれの研究チーム特有の乳酸菌に作り変えたものです。そういう意味では糞便移植は理に叶った方法と言えそうです。

 

糞便移植方法について

理想的な腸内フローラを持った人の糞便には、それらの腸内細菌がたくさん含まれています。そのため健康な人の糞便に生理食塩などを混ぜ、特殊な方法で腸内細菌を取り出します。それを細いチューブで腸内に注入していくという方法があります。
他にも経口摂取のための特殊抽出法とカプセルを利用した方法も、カナダの研究者によって考案されていますが、やはり経口摂取は抵抗のある人が多いようです。現在日本ではさまざまな病院において、肛門からの糞便移植が行われています

 

驚きの糞便移植効果

腸内環境は人それぞれ違います。また腸内フローラも同じ人はいないと言っても過言でないほど、それぞれの個性を持っています。もちろん腸内フローラが完全無欠に近い状態であれば、それに越したことはありませんがなかなかそうはいきません。どうしても乳酸菌の種類にも偏りがあり、また大腸潰瘍など胃腸の疾患を持っている人は、善玉菌の種類も数も全体にとても少ない状態になっています。
そんなときに理想的な腸内フローラを持った人の善玉菌を便から摂取し移植することで、体質から改善することができるというものなのです。また健康な人の便1グラムには、乳酸飲料数百本分の乳酸菌をはじめとする腸内細菌が含まれていると言われています。それも人の体の中に生存している善玉菌をそのまま腸内に移植することで、その定着率も期待されているのです。

 

腸内の善玉細菌のタイプ

腸内の善玉菌のタイプには3つのタイプがあると言われているのがエンテロタイプ説です。欧米の研究チームによって、腸内細菌(善玉菌)のタイプを3つに分けることができるという発表がされました。ルミノコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属というものに分れ、日本人はスウェーデン人と同じく8割以上の人がルミノコッカス属に含まれているとのこと。ちなみにバクテロイ属はアメリカ人や中国人、プレボテラ属は中南米に多いとも言われています。
その3つのタイプに分れる理由はまだ判明されていませんが、タイプによってかかりやすい病気などがあるということも報告されています。また特に腸内での働きに違いはなく、進化の過程でこのような違いがあるのではないかとも推測されていますが、今後の研究が期待されています。

 

腸内細菌と病気と移植

腸内細菌の状態によって病気との関係が解明されてきていますが、胃腸疾患、アレルギー、メタボリック症候群、不眠症、鬱など、さまざまな疾患につながります。理化学研究所では免疫を抑制する細胞を活性化させる、つまり免疫力を高める17種類の腸内善玉菌を、世界で初めて特定したことでも知られています。
この特定された腸内細菌をマウス実験をすると、腸炎や下痢なども防げることが判明しました。また0-157に対しても、特定の乳酸菌の代謝する乳酸は大腸粘膜を保護力が高くO-157にかかりにくくなり、かかっても死に至るような症状にならないという結果も出ているのです。そして健康な人より炎症性腸疾患の人には、これらの細菌がとても少なかったという結果も出ています。

 

このように今後、どんどん病気と乳酸菌の種類の特定がはっきりしてくると、善玉菌の宝庫とも言える健康体の糞便を肛門から移植をすることで、ピンポイント的にその人の病気や体質を改善することができるのではないかと期待されています。そして今さまざまな病院でこの方法が取られ、多くの人たちが改善効果を体験しているというのが現状です。

 

便移植はいつから

便移植は紀元世紀、中国の学者が急性食中毒の患者に対して健康な人の便を摂取したことに始まります。いわゆる中国でいう救急医学というものとして、今も中国の医学者の教科書に載っているとのこと。欧米では1958年に外科医が腸炎患者に、健康な人の便を投与して治したという症例があります。このように古い時代からこの方法が使われていたわけですから、今の時代にはもっとこの便移植について研究されていてもいいはずではないでしょうか。

 

しかしペニシリンの登場や抗生物質の発見によって、便を摂取することより悪い菌を殺してしまえばいいという考え方に医学全体がなっていってしまったのです。現在の状態を見れば分かるとおり、抗生物質もどんどん進化をし、強いものとなっていってしまいました。その上、良い菌まで殺してしまうので体内は無菌状退になってしまうことに。これがどのような副作用となっているかは今の医学を見れば分かるはずです。

 

そして現代の医学でもどうして解決されない疾患も多々あるため、便移植というものが見直されてきたわけです。今の技術を持って行えば便を口から摂取するような残酷なことをしなくても、きちんと腸内移植ができるわけです。それによって理想的な腸内環境を作ることになり、さまざまな健康効果が期待されているのです。そしてその結果も出ていることから、日本でも急速に広がりをみせている治療法なのです。

 

腸潰瘍性大腸炎、炎症性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、肥満、自閉症、鬱、免疫にかかわる疾患など、さまざまな疾患に高い効果が期待されています。これらどれも改善がとても難しいと言われている疾患で、現在の医学でも確実に改善することが困難とも言われているものもたくさんあります。

 

これらの改善こそ腸内細菌と深く関係することが解明されてきた今だからこそ、便移植も多くの人に受け入れられるようになったのではないでしょうか。そしてこの腸移植で今後の研究として一番注目されていることは、健康な人の便が移植された人の便に置き換わること、つまり腸内フローラがそのまま移植されるかたちになることです。そしてそのために今も研究はずっと続けられているのです。

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